本プロジェクトは木造2階建てに特化した構造ソフトを導入したことから、あらゆる検討が可能になりました。

一番大きいのは、梁せい(梁の背丈)をすぐに計算できるので、経済設計を追求できることです。

+++ 構造ソフトを持てば、誰でも経済設計ができるわけではありません。木材の価格帯から始まり、樹種ごとの強度や、経済的な部材長など、木のことをいろいろ知っておかねばなりません。基礎を形成する鉄筋コンクリートについても同様のことが言えます。数年前の私なら、ソフトを持っていても宝の持ち腐れだったと思います。一昨年、家づくり学校で山辺豊彦先生の構造ゼミが私の財産になっています。+++

今回のプロジェクトは、きれいなロの字にしていることから構造的に有利で、特に水平剛性にはかなり有効に働くだろうと考えていました。

最初は、外周だけに耐震壁を設け、中は自由なプランニングができるのではと目論んでいましたが、いざソフトにかけてみると、水平剛性の第2等級(建築基準法は水平剛性は考慮に入っておらず、長期優良住宅で必要とされる等級)が中央の中庭のために、どうしても取れません。外周部をどれだけ壁倍率を上げても無駄で、中庭周辺で耐力壁線とみなせるだけの耐震要素をもつことが大事だということが判ってきました。

それが見えてきて、水平剛性第2等級 を取れるだけの壁配置を中庭周辺に行い、今度は倍率を強くとりすぎているところを、これまたトライ&エラーで外していきました。ここまでやれば間違いなく経済設計。

ちなみに、基礎もロの字のべた基礎。通常、立ち上がりのせん断補強筋はフック付きとなり、かぶり厚さ確保のため150㎜の壁厚となるところ、フック無しで行けることが判りました。かぶり厚の確保は壁厚120㎜でよいことになりますが、構造合板の木口を下向きとはいえ野ざらしにしたくないため130㎜とすることにしました。