2023年7月現在、おそらくこれが一番新しく一番正確と思われる注文住宅の坪単価を、ここにアップします。

まず、根拠の不明なものをリンクするということはしません。
それなりの物件数から構成されるデータがあり、公平なアンケートを元にしたものを使おうとしました。

それは住宅金融支援機構のフラット35のサイトの中にありました。ここのデータであれば、東京圏だけで2,006件という充分なデータであり、バイアスのかかることのないデータだと思われました。膨大なデータを分析しアップするのに手続きを踏むのでしょう、2023年7月の今現在では2022年度は発表されていません。が、高止まりの状況なので、充分使えるデータだと言えます。

このデータは、私の立ち位置である建築家のつくる住宅は少数派で、多数派がハウスメーカーと呼ばれる設計施工の住宅になります。つまり、一つ前の記事で「ハウスメーカーの付帯工事というものが、坪単価を判りにくくさせている」としましたが、その部分が解決されています。

上のエクセルデータは、フラット35借入申し込み者の統計ページから2021年度版をダウンロードし、色を私の方で付けたものです。件数の多いところ(%表示)の色を濃くし、次に多いところの色を同系色で薄くしました。

その色は、トップ画像の、皇居からの半径10㎞圏(赤)、20㎞圏(緑)、30㎞圏(青)と一致させてあります。

概況

ざっくりいうと、東京30㎞圏内では 28~38万/㎡(坪92.4~125.4万)に4割が集中しています。

●10㎞圏内…荒川区・北区・豊島区・中野区・目黒区が含まれていますが、坪100万のところと坪125万のところ2極化でしています。

●10~20㎞圏内 … 江戸川区・足立区・板橋区・練馬区・三鷹市・世田谷区・狛江市・大田区・埼玉の蕨市・神奈川の川崎市などが入ってきます。坪105万、坪125万に山が二つありますが、10㎞圏内 ほどではありません。

●20~30㎞圏内…清瀬市・国分寺・府中市・千葉の船橋市・柏市・埼玉のさいたま市・所沢市などが県内です。なめらかな山で、坪92万~119万が39%を占めていました。

まとめ

建築家界隈で飛びかっている「坪100万はかかる説」は、間違ってはいないですが、誰も彼もというわけではなさそうです。
また、ねこも杓子も高断熱化の波でハウスメーカーが価格帯を上げていることと、そこまで断熱を気にしない建築家住宅の坪100万以上とでは、”お金をかけているポイントが違う”というのが、現時点の住宅建築業界と言えます。
建築家は具体的にどこにお金をかけている?それは千差万別です。気になる人のホームページを隅々まで読むと、うっすらでも見えてくると思います。
ちなみにSEEDSの価格帯は、設計料含めて最多価格帯の下の方でした。あえて繰り返しますが、建築家住宅でも、高くない! 最多価格の下の方です!(笑)
高断熱で高くない在り方を鋭意研究中です。ZEHプランナーのはしくれとして。