今回の耐震改修で一番気にかけていたのは、通し柱の根継ぎです。土台と梁の間に入る菅柱(すがばしら)は傷みがひどければ取り替えてしまいますが、出隅にある通し柱はどんな傷んでいても取り替えることは困難です。
傷んでいる根元部分を新しいものにする「根継ぎ」という方法を取ります。根継ぎの方法は昔からある「金輪継ぎ」という接手が好ましいとされています。

既存サッシの上の部分から水が入っていたのでしょう、1.5mぐらいの高さまで朽ちていました。設計図では1mのところから根継ぎとしていましたが、1.7mのところに現場変更です。

実寸100角の通し柱に根継ぎをするのですが、通し柱の位置は耐力壁の端部でもあるので、地震時の応力が大きくかかってきます。フェイルセーフとして添え柱をいれています。

隣の柱にも添え柱府がありますが、これは、その上部の既存梁せいが計算すると不足していたので下に新規に梁を入れその力を受けるためのものです。

別の箇所の通し柱と添え柱、継目に合計6本のビス頭が見えていますが、これはパネリードという高耐力のビスです。火打-梁の緊結ボルト同等の評価が出ている三角打ちを応用し、中央の込栓(写真では見えにくいですが)を境に上下2段入れています。