ブログでの紹介がかなり遅れてしまいましたが、府中の診療所は、無事に開院しました。

遅れてはいますが、懲りずに少しずつご紹介していきたいと思いますので、引き続きお付き合いください。

今回も設計の様子の紹介です。
「住宅のような診療所」というテーマでの設計でした。具体的には待合室のデザインがポイントだと考えました。患者さんが最初に入り、いちばん長い時間を過ごす場所なので、診療所の印象を決めることになるからです。診察前や検査前の緊張感をほぐせるように、「明るく、優しい雰囲気。カフェみたいなのもいいなぁ。」お施主様さまの言葉をビジュアル化すると、自ずと「木に包まれた雰囲気」という答えに行き着きました。一方、プランを作りながら、待合室は建物の平家部分に入れて、屋根の傾斜なりの斜めの天井にして、天井を高くしようと考えていました。構造の梁を見せてインテリアのアクセントにする。テナントでビルに入るクリニックにはない、戸建てならではのデザインです。窓は外から室内が見えない範囲でできるだけ大きくしました。2階のバルコニーに面した天井の高い部分にも明り窓をつけています。バルコニーに植木を置くと、待合室のベンチに座った患者さんの視野にグリーンが入るという仕掛けです。

(下)断面図.

(下)工事中の写真:待合室から2階バルコニー側の高窓を見上げたところ。紙で包んである梁は、空間に露出させてインテリアのアクセントにします。